「読解力が低い子」に共通する3つの特徴と、家庭でできる改善法

読解力

「本は読んでいるのに、なぜか国語の点数が上がらない…」

実は、国語教師をしていたころ、とても多かったご相談です。

というのも、「文字を読めていること」と「内容を理解(読解)できていること」は全くの別物だから。

読解力が伸び悩んでいる子は、文章を「読んでいる」のではなく、ただ「文字を目で追いかけているだけ」になっているケースがとても多いのです。

今回は、元国語教師の視点から、読解力が低い子に見られやすい3つの特徴と、家庭ですぐにできる改善法をご紹介します!


元国語教師が見た「読解力が伸び悩む子」に共通する3つの特徴

学校でたくさんの子どもたちの回答や読み方を見ていると、読解力でつまずく子には共通点があることに気づきました。

① 登場人物の気持ちを「自分ルール」で決めつける

国語のテストでよくある「このときの主人公の気持ちを答えなさい」という問題。

ここでつまずく子によくあるのが、本文ではなく「自分の気持ち」を答えてしまうことです。

本文:「友達に大切なおもちゃを壊されたが、必死で笑顔を作った」

問題:「このときの主人公の気持ちとして適切なものを選びなさい」

子の答え:「別に怒っていない」

「なんでこの選択肢にしたの?」と聞いてみると、「だって僕だったら、怒ってたら笑わないもん!」と返ってくることがよくありました。

なるほど、本人の中ではちゃんと筋が通っているんですよね。自分の意見を持てるのは素晴らしいことです。

でも、国語の読解で大切なのは「自分ならどう思うか」ではなく、「文章のどこからそう読み取れるか」です。

文章を読むときだけは一度「自分だったら」を横に置いて、本文の中にあるヒントを探す必要があります。

② 接続詞(「しかし」「つまり」)をスルーして読んでいる

「文章は最後まで読んでいるのに、なぜか内容が分かっていない…」

そんなときにチェックしてほしいのが、接続詞(しかし、だから、つまり、たとえば)を正しく読めているかです。

たった数文字ですが、実はこれ、文章を読むための道しるべのようなもの。

読解が苦手な子は、単語(名詞や動詞)だけを目で拾い、文と文をつなぐ「接続詞」をすっ飛ばして読んでいることがとても多いです。

①「今日は雨が降った。しかし、運動会は実施された。」

②「今日は雨が降った。だから、運動会は延期になった。」

接続詞が変わるだけで、その後の展開はまったく真逆になりますよね。

つまずきやすい子は目立つ言葉だけを拾うため、言葉同士のつながりが見えていません。

接続詞は、文章を書いた人がこっそり置いてくれている「次はこっちに進むよ!」という道路標識のようなもの。

ここを意識できるだけでも、文章の見え方は劇的に変わります。

③ 文章を「映像(アニメーション)」に変換できていない

読み終わったあとに「どんな場所だった?」「主人公は何してた?」と聞いて、「えーっと……忘れた」となる子は、無意識に頭の中で場面をイメージできていないのかもしれません。

  • 読解が得意な子:文字を追いながら、無意識に頭の中でアニメや映画のような「カラー映像」を再生している
  • 読解が苦手な子:文字をただの「記号」として追っているだけ(頭の中が白黒・真っ白の状態)

「男の子が走っている」「雨がザーザー降っている」という文章から、頭の中に場面を作れずに文字だけを追っていると、知らない外国語を読まされているのと同じ状態になってしまいます。

読解力が低い子は、集中力がないのではなく「頭の中に情景(映像)が残っていないから覚えていない」だけなのです。


家庭で今日からできる!読解力をぐんぐん伸ばす3つの改善法

子どもが文章を読めない原因が分かれば、対処法はとてもシンプルです。

難しいドリルを買ってくる必要はありません。いつもの宿題や読書にちょっとプラスするだけでできる、3つの方法をご紹介します。

① 「自分ルール」を外す:「これってどういうこと?」とヒントを探す

子どもが登場人物の気持ちを答えたとき、「違うよ、正解はこっち!」とすぐに正解を教えるのはもったいないです。

ここでおすすめしたいのが、「本文の中にある根拠(ヒント)」へ誘導する問いかけです。

子ども:「この主人公、全然怒ってないと思う!」

親の返し:「そっか!文章のどこを読んでそう思った? ヒントを探してみよう!」

親の返し:「『必死で笑顔を作った』って書いてあるけど、これってどんな気持ちのときにするかな?」

「あなたならどう思う?」ではなく、「本文のどこにそう書いてある?」と問いかけるのが最大のポイントです。

親と一緒に本文からヒントを探す作業を繰り返すことで、「そっか、自分の意見じゃなくて本文から探すんだな」という国語の基本ルールが自然と身についていきます。

② 「接続詞」を意識する:文章の「標識」だけ大声で読むゲーム

「『しかし』は逆接で……」なんて難しい文法用語を教える必要はありません。

家庭ではもっと楽しく、接続詞を「文章の標識」として見つけるゲームにしてしまいましょう!

【ルール】

教科書や本を音読するとき、「しかし」「だから」「つまり」「たとえば」などの接続詞だけ大声で読む(または手をパチンと叩く)!

「今日は雨が降っていました。……しかーーーし! 運動会は予定どおり行われました。」と、ちょっと大げさに読むのがコツです。

  • 「『しかし』が来た! このあと反対の話が来るぞ〜」
  • 「『つまり』発見! ここから大事なまとめが入るんちゃう?」

ゲーム感覚で接続詞を意識的にキャッチする癖がつくと、頭の中で文章の展開を予想しながら読めるようになります。

③ 「映像化」を助ける:「どんな場面?」と頭の中のカメラを意識させる

文章を読んでも「何の話だったか分からない」という子には、物語を読んでいる途中で映画の監督になった気分でこんな質問を投げてみてください。

💬 「今の場面、頭の中のカメラには何が映ってる?」

💬 「主人公はどんな顔してる? 周りの天気はどんな感じ?」

例えば、「太郎は雨の中、傘もささずに走って家へ帰った」という一文なら、「雨がザーザー降ってて、太郎がびしょ濡れで走ってる!」とイメージできれば大成功です。

言葉で説明するのが難しそうなときは、「じゃあ、簡単に絵に描いてみて!」と裏紙にサッと落書きさせるのもおすすめ。

「場面をイメージするクセ」をつけるだけで、ただの文字情報が「意味のある映像」に変わっていきます。


まとめ:読解力は「親子の会話」でいくらでも伸びる!

「読解力を伸ばすために、もっと本を読ませなきゃ」「難しい問題集をやらせなきゃ」と焦る必要は一切ありません。

大切なのは、特別な勉強時間を増やすことではなく、日々の宿題や読書の中で「どう読んでいるか」にちょっとだけ目を向けてあげることです。

今回ご紹介した3つの「読み方のコツ」が身につけば、ただ文字を追いかけるだけだった読書が、少しずつ「意味を考えながら楽しむ読書」へと変わっていきます。

今日から全部を完璧にやろうとせず、まずは今日の音読で「接続詞ゲーム」を1回やってみる。それくらい気軽に試してみてくださいね。

親子の何気ない会話の工夫こそが、子どもの読解力をぐんぐん伸ばす一番の近道です!

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