周りの子がしゃべり始めると、「うちの子、もしかして言葉が遅い…?」と急に不安になってしまいますよね。
でも、無理に言葉を覚えさせようと焦らなくて大丈夫。
元国語教師として、そして3人の子育てを通しても感じますが、大切なのは「言葉が自然とあふれ出る土台」を絵本で楽しく作ってあげることです。
今回は元国語教師、そして3人の子どもにたくさんの絵本を読んできた母として、1~2歳ごろにおすすめしたい絵本を5冊厳選しました。
「うちの子、まだあまり話さないから
絵本を読んでも意味がないかも」
そう思っている方にこそ、ぜひ届いてほしい内容です!
言葉の発達に「絵本」がいい理由
「ことばを増やさなきゃ」と思うと、ついフラッシュカードで見せたり「これはなに?」と聞いたりして、教え込もうとしがちですよね。
でも、元国語教師としてお伝えしたいのは、1〜2歳で大切にしたいのは「目で見ている絵(意味)」と「耳から入る言葉(音)」がぴったり重なる感動を知ることです。
例えば、絵本の犬を指さして「わんわんだね」と言ったとき。子どもの頭の中では、
- 目の前の絵(犬)
- 耳から聞いた音(わんわん)
- 散歩中に見たあの動物(体験)
この3つが「あ!一緒だ!」とピタッとつながります。
大切なのは「覚えさせること」より
「あ!つながった!」という楽しい体験を増やすこと
教え込まれた暗記ではなく、この「あ!つながった!」という楽しい体験こそが、少しずつ子どもの「言葉の引き出し」を増やしていきます。
途中で立ち上がったり、勝手にページをめくったりして「全然聞いてない…」と思える日があっても大丈夫。
まだしゃべらなくても、子どもは「あ、これ知ってる」「この音が『わんわん』なんだ」と、頭の中の引き出しに少しずつ言葉をためています。
成果を焦って「これ覚えた?」なんてテストする必要はありません。親子のやりとりの中で「言葉と体験がつながる楽しさ」をたくさん味わわせてあげましょう。
それが、これから言葉を使って人とやりとりしていくための土台になっていきますよ。
💡「絵本以外にも、日常で親ができること・気にしなくていいことを知りたい」という方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてくださいね。
「言葉の引き出し」を増やす1~2歳向けおすすめ絵本5選
ここからは、1~2歳ごろにおすすめしたい「言葉の引き出し」を増やす絵本を5冊ご紹介します。
今回の5冊を選んだポイント
- 1~2歳でも楽しみやすい
- 音や言葉をまねしやすい
- 指さしや返事など、親子のやりとりにつながる
- 日常生活の言葉と結びつけやすい
①『じゃあじゃあびりびり』(作・絵:まついのりこ/偕成社)
【あらすじ】
「じどうしゃ ぶーぶー」「みず じゃあじゃあ」など、身近なモノと音が分かりやすいイラストとともに登場する大定番の一冊です。
📖 元国語教師のチェックポイント
1〜2歳の子にとって、擬音語・擬態語(オノマトペ)は親しみやすい言葉のひとつ。「犬」より「わんわん」、「車」より「ぶーぶー」のような音のほうが、まねしやすい子もいます。耳に残る音の響きを、親子で一緒に楽しめる一冊です。
②『くだもの』(作:平山和子/福音館書店)
【あらすじ】
バナナやりんご、みかんなどのリアルでおいしそうな果物が、「さあ どうぞ」と差し出されるシンプルな絵本です。
📖 元国語教師のチェックポイント
リアルで美しい絵だからこそ、「あ、これ見たことある!」と実際の食卓や体験と結びつきやすいのが魅力。絵本で出会った「りんご」「バナナ」などの言葉を普段の生活でも繰り返すことで、絵本の言葉と実体験がつながっていきます。
③『がたん ごとん がたん ごとん』(作:安西水丸/福音館書店)
【あらすじ】
「がたん ごとん」と走る汽車に、哺乳瓶やコップ、スプーンたちが「のせてくださーい」と順番に乗っていくお話です。
📖 元国語教師のチェックポイント
同じフレーズが繰り返されるので、何度も読んでいるうちに「次は『のせてくださーい』が来るぞ」と展開を予想して楽しめるようになります。「がたん ごとん」のリズムに合わせて一緒に声を出したくなるのも、この絵本の楽しいところです。
④『きんぎょが にげた』(作:五味太郎/福音館書店)
【あらすじ】
金魚鉢から逃げ出したきんぎょが、カーテンの模様やお花の中など、いろいろな場所に隠れる絵探し絵本です。
📖 元国語教師のチェックポイント
きんぎょを見つけて指をさし、「いた!」と伝えてくれるだけでも立派なコミュニケーション。まだうまく言葉にできなくても、「見つけたものを誰かに伝えたい」という気持ちを親子で楽しめます。
⑤『おべんとうバス』(作・絵:真珠まりこ/ひさかたチャイルド)
【あらすじ】
ハンバーグさんやエビフライさんなど、お弁当のおかずたちが「はーい!」と返事をしながらバスに乗り込んでいくお話です。
📖 元国語教師のチェックポイント
絵本は静かに聞くだけのものではありません。お話に乗っかって、声を出したり手を挙げたりして「参加」することで、言葉を使ったやりとりの楽しさを味わえます。
どれを選ぶ?迷ったら「今のわが子が好きなもの」でOK
ここまで5冊ご紹介しましたが、「結局、言葉を増やすにはどれが一番いいの?」と迷ってしまいますよね。
迷ったときの答えは、とてもシンプル。
「今のわが子が好きなもの」を選べばOKです!
- 乗りものが好きなら → 『がたん ごとん がたん ごとん』
- 食べることが好きなら → 『くだもの』『おべんとうバス』
- 探しものが好きなら → 『きんぎょが にげた』
- 音のまねっこが好きなら → 『じゃあじゃあびりびり』
大人が「言葉の勉強になりそう!」と意気込んで選んだ本より、子どもが「これ読んで!」と自分から持ってくる本のほうが、結果として何度も同じ言葉に触れられます。
そして、同じ絵本を何度も「もう一回!」と持ってきても、「またこれ…?」と困らなくて大丈夫。
1〜2歳の「もう一回!」は、お気に入りの言葉を何度も聞いて、知っている展開を「やっぱりね!」と確かめながら楽しむ時間でもあります。
どれにするか迷ったら、ぜひお子さんが一番ニッコリしそうな1冊から手に取ってみてくださいね。
言葉を引き出す!絵本を読むときの2つのコツ
せっかく読むなら言葉につながる読み方をしてあげたい……そう思うかもしれませんが、特別なテクニックは一切いりません。
むしろ大切にしてほしいのは、親が頑張りすぎないこと。
わが家でも実践していた、子どもの「話したい!」を自然と引き出す2つのコツをご紹介します。
①「これ何?」と試すような質問をしない
言葉を増やそうと思うと、つい「これ何?」「ワンワンはどれ?」と答えを求めがちですよね。
でも、これをやりすぎると、子どもにとって絵本タイムが「答えを当てるテストの時間」になってしまうことも。
「これ何?」
↓
「りんごだね。おいしそう!」
こんなふうに、大人が言葉にしてあげるだけで十分です。
1〜2歳の絵本タイムでは
「言わせる」より「聞かせる」で大丈夫。
「答えなきゃ」というプレッシャーをなくしてあげると、子どもも安心して絵本そのものを楽しめますよ。
②子どもが指さしたものを「〇〇だね」と拾ってあげるだけ
お話の途中で子どもがページの端っこを指さしたとき、「ちょっと今そこ読んでないんだけど…」と思うこと、ありますよね。
でも、そこで無理に本文へ引き戻さなくてOK!
犬を指さしたら
→「ほんとだ、わんわんいるね」
車を指さしたら
→「赤いブーブーだね」
バナナを指さしたら
→「バナナ、おいしそうだね」
子どもが「これ気になる!」と思ったものを、大人が言葉にして返してあげる。それだけで十分です。
うまくしゃべれなくても、「ママ・パパに伝わった!」といううれしさは、もっと伝えたいという気持ちにつながっていきます。
文を全部読めなくても、途中でページを飛ばされても大丈夫。子どもが見ているものを一緒に面白がって、言葉にしてあげる。それだけで100点満点です!
💡「上手にお話を聞いてくれない…」「棒読みで読んじゃう…」とお悩みの方は、こちらの記事も覗いてみてくださいね。
まとめ:焦らず「言葉の種まき」を楽しもう
「言葉が遅いかも」と思うと、どうしても「どう読めばしゃべるようになるの?」と焦ってしまいますよね。
でも、言葉の発達はコップに水を注ぐようなもの。
絵本を通して耳から届ける言葉は、
コップに少しずつ「言葉の水」をためている時間。
今は溢れていなくても、コップがいっぱいになった時、ポロッと言葉として溢れ出してきます。
途中で逃げても、同じ本ばかり読まされても大丈夫。
「今日も言葉を増やさなきゃ」と頑張るより、
「今日も一緒に絵本を楽しめたな」でOK。
焦らず、お子さんの好きな絵本を開きながら、親子でゆったりと「言葉の種まき」を楽しんでみてくださいね。


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