「感情を込めて上手に読まなきゃ」
「声優さんみたいに声を変えないとダメかな……」
そんなプレッシャーを感じて、読み聞かせが少ししんどくなっていませんか?
元国語教師で3人のママである私ですが、自信を持って言えます。
絵本の読み聞かせに、過剰な演技や上手な読み上げは一切いりません!
むしろ親が感情を込めすぎると、かえって子どもの想像力の邪魔をしてしまうことすらあるんです。
今回は、親の負担をガクッと減らしつつ、子どもの国語力につながる「3つの読み方のコツ」をお話しします。
今夜から声優さんを目指すのはやめて、
もっとラクに、親子で絵本タイムを楽しんでいきましょう!
声優みたいに読まなくてOK!絵本の読み聞かせで大切にしたいこと
読み聞かせは「感情を込めて読まないとダメ」というわけではありません。
子どもと一緒に笑ったり驚いたりして、自然に声が変わるのは読み聞かせの醍醐味ですし、私も普通にやっています。
でも、頑張りすぎなくて大丈夫!
読み聞かせの主役は、上手な演技をする親ではなく、物語を受け取る子ども自身です。
「もっと抑揚をつけなきゃ!」「声を変えなきゃ!」と親が頑張りすぎる必要はゼロ。
ここからは、過剰な演出をおすすめしない3つの理由をお話ししますね。
①大げさな演じ分けが「物語理解を高める」とは限らない
大げさに声色を変えると、子どもはストーリーよりも「お母さんの面白い声」や「激しい演技」に気を取られてしまいます。
そうなると、じっくり言葉を聞いて頭の中で場面を組み立てるという「物語を読み解く時間」が途切れてしまうことも。
絵本を聞きながら、子どもの頭の中では……
- 「この子、怒っているのかな?」
- 「次はどうなるんだろう?」
- 「オオカミって、どんな声かな?」
大人が声を演じ分けなくても、子どもは「絵」と「言葉」から登場人物の気持ちや場面をしっかり受け取っています。
親が声ですべての感情を説明してしまわない方が、子ども自身が頭の中で想像を膨らませることができるんですよね。
「上手に演じなきゃ」と気負わなくてOK。まずは書かれている言葉が子どもにそのまま届くように、落ち着いて読むことを意識してみましょう。
②子どもの「自由な想像力」を横取りしてしまう
絵本の最大の魅力は、文章に書かれていないことを子どもが自由にイメージできる「余白」があることです。
たとえば、登場人物が下を向いている場面。
親が最初から泣きそうな声で読む
↓
「あ、ここは悲しい場面なんだな」
と、大人側の解釈(ひとつの答え)を子どもに押し付けることになってしまいます。
でも、あえてニュートラルに読めば、子どもは自分なりに考えるんです。
「悲しいのかな?」
「悔しくて黙ってるのかな?」
「ただ眠いだけかも!」
元国語教師として感じたこと
国語の授業でも、同じ文章を読んだ子どもたちから違う捉え方が出てくる瞬間は、とてもおもしろいものでした。「どうしてそう思ったの?」と文章に戻って考えることも、読む楽しさのひとつです。
親が最初から演技で感情を決めつけず、少しフラットに読む。
それだけで、子ども自身が「絵本の余白」に想像を自由に広げやすくなりますよ。
③頑張りすぎると、読み聞かせを続けるのがしんどくなる
そして、3児の母としてこれも声を大にして言いたいです。
仕事や家事でクタクタの夜。「やっと布団に入れる……」というタイミングで子どもが持ってくる、ちょっと長めの絵本。
そんな状態で「せっかくなら感情を込めて……」なんて気合を入れていたら、親のほうが先に絵本タイムを嫌いになってしまいますよね。
完璧な演技を目指すあまり読み聞かせが負担になるくらいなら、上手に読むことなんてスッパリ諦めて大丈夫。
読み聞かせで大切にしたいのは、
「完璧な1回」より「親子で無理なく続けられること」
疲れている日は、途中まででもOK。
「ちゃんと演じなきゃ」という重荷を下ろすことが、毎日の読み聞かせを楽しく続ける一番の秘訣です。
【元国語教師流】子どもの国語力につながる絵本の「読み方」3つのコツ
「じゃあ結局、どう読めばいいの?」と思いますよね。
難しいテクニックは一切いりません。
親が上手に演じることよりも、子どもが「見る・聞く・考える」ための余白をつくること。
これだけで十分です。
親の負担を減らしつつ、今日からすぐ試せる「3つのコツ」をお伝えしますね。
コツ1:ページをめくったら、すぐ読まずに少し待ってみる
ページをめくったら、すぐに文字を読まずに「ふぅ」とひと息ついて少し待ってみる。
これだけです。
テンポよく読み進めたくなりますが、子どもは大人が思っている以上に「絵」からいろいろな情報を読み取っています。
少し待ってみると……
- 「あ!ここにカエルがいる!」
- 「さっきの帽子なくなってる!」
- 「この子、泣いてる……」
そんな声が飛んできたら、「本当だ!よく気づいたね」と共感してあげればOK。
すぐに文章へ戻らなくても大丈夫です。
絵から登場人物の表情や場面の変化を読み取ることも、立派な「読解力」のひとつ。
今日の読み聞かせから、ページをめくったら「小さじ一杯の間(ま)」を意識してみてくださいね。
💡 絵本を開いて少し待つコツをお伝えしましたが、「そもそも子どもが絵本を嫌がって座ってくれない…」とお悩みの方は、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
コツ2:「上手に読もう」とせず、文章が聞き取りやすい速さで読む
感情表現を意識するよりも、「落ち着いたトーンで、聞き取りやすい速さで読む」ことを意識してみてください。
✓ 普段よりほんの少しゆったり
✓ 句読点で小さく間を置く
✓ 一つひとつの言葉が聞き取れる速さで
これくらいで十分です。
大人がすべてを声で表現しないことで、子ども自身が登場人物の声や気持ちを想像する余地も生まれます。
- オオカミの声を、自分の頭の中で想像する
- 主人公の気持ちを、自分なりに受け止める
さらに絵本には、「しとしと」「うっとり」「おそるおそる」など、普段の会話だけでは出会いにくい表現もたくさん登場します。
上手に演じるよりも
「書かれている言葉を、そのまま子どもの耳へ届ける」
そんなイメージで、落ち着いて読んでみてくださいね。
コツ3:感情は「自分の読み」ではなく「子どもの反応」に乗せる
「感情を込めない」=「冷たくロボットみたいに読む」ではありません。
大切にしたいのは
親の「演技」より、目の前にいる子どもの「反応」
親が一人で熱演するのをやめて、子どもがふっと見せたリアクションに寄り添ってみてください。
子どもが「あはは!」と笑ったら
→「ふふっ、面白いね」と笑い合う
「これ何だろう?」と指をさしたら
→「本当だ、何だろうね」と顔を見合わせる
「かわいそう……」とつぶやいたら
→「そう思ったんだね」と受け止める
親が声で「ここは笑うところ!」「ここは悲しいところ!」と正解を教える必要はありません。
子どもの反応に共感して、言葉を返してあげる。
「親が読む → 子どもが聞く」から
「絵本を挟んだ、親子の会話」へ。
それだけで、読み聞かせの時間がもっと楽しくなりますよ。
【Q&A】読み聞かせでよくある3つの疑問
読み聞かせのノウハウを読むと、「最後までしっかり聞かせましょう」なんて書かれていることもありますよね。
でも、実際の子どもはそんなにお行儀よく聞いてくれません。
そして、勝手にページを戻す。
ここからは、読み聞かせでよくある「これってどうすればいい?」にお答えします。
Q1.子どもが途中で話し始めたら、止めたほうがいい?
「見て!ワンちゃんいる!」「これ昨日見たやつ!」と話し出すのは、子どもなりに物語や絵を受け取った証拠です。
「ほんとだね」「昨日公園で見たね」と少し付き合ってから、また続きを読めばOK。
もし話が脱線しすぎたら、「じゃあ続き読もっか」と戻せばいいだけです。
絵本は静かに鑑賞する授業ではありません。途中のおしゃべりも含めて読み聞かせタイムです。
Q2.「これ何?」と聞かれたら、そのたびに説明する?
「これ何?」と聞かれたら答えてあげてOKですが、無理に完璧な解説をする必要はありません。
たとえば「水たまり」が分からなければ、
くらい、子どもの身近な体験につなげてあげれば十分です。
逆に、聞かれてもいないのに「〇〇っていうのはね……」と大人が解説を始めると、せっかくの物語が「お勉強」っぽくなってしまうこともあります。
聞かれたら、短く答える。
聞かれなければ、そのまま物語を楽しむ。
それくらいで大丈夫です。
Q3.最後まで聞いてくれない日は、途中でやめてもいい?
途中で飽きて立ち上がったり、別のおもちゃに行ったりしたら、「今日はここまで!」とパタンと閉じてしまって大丈夫です。
「まだ終わってないよ!」と無理に引き留める必要はありません。
大人だって「本を読みたい日」と「今日はもう何も考えたくない……」という日がありますよね。子どもも同じです。
大切にしたいのは
「最後まで読めたか」より
「絵本を一緒に楽しめたか」
3人育児でたどり着いた「一番大切な読み聞かせ」とは
元国語教師なんて肩書があると、「さぞかし素晴らしい読み聞かせをしてるんでしょうね」と思われそうですが、実際のわが家は本当に適当です(笑)。
1人目のころは「豊かに感情を込めて、最後までちゃんと読まなきゃ!」と意気込んでいました。
でも、3人の育児をする今、そんな気合いはどこへやら。
わが家のリアルな読み聞かせ
お風呂上がりのクタクタな寝かしつけタイム。棒読みどころか、私が途中で寝落ちして「ママ、続きは!?」と子どもに起こされることもあります(笑)。
それでも子どもたちは、ちゃんと本が大好きです。
私が普通の声で読んでも、面白いところでは笑うし、気になるところでは勝手に止める。お気に入りなら、また「読んで」と持ってきます。
そんな姿を見ていて、気づきました。
子どもが求めていたのは、
「上手な読み聞かせ」じゃなかったんだな、と。
子どもにとってうれしいのは、大好きな親の隣で、一緒に絵本を開くことなのかもしれません。
子どもが指をさしたら、一緒に見る。
笑ったら、一緒に笑う。
「もう一回」と言われて、余裕があればもう一回。
しんどい日は、「今日は1回だけね」。
それでいいんですよね。
国語力を伸ばす工夫ももちろん大切です。
でも、その前に大切にしたいのは、子どもが「本って楽しいな」と思えること。
「今日もちゃんと読めなかった……」と
自分を採点しなくて大丈夫。
1冊読めない日があってもいい。途中で終わってもいい。声色を変えなくてもいい。
絵本を開いて、子どもと一緒にページを眺めた。
それだけで、今日の読み聞かせは100点満点ですよ。
💡 絵本タイムだけでなく、普段の会話でも子どもの言葉を伸ばしてあげたい方は、こちらの「声かけテクニック」もあわせて読んでみてください。
まとめ:声優にならなくてOK!「淡々と楽しむ」読み聞かせを始めよう
「上手に読まなきゃ」「子どもを惹きつける演出をしなきゃ」と、親が一人で肩肘を張る必要はありません。
ページをめくったら少し間を置いて子どもに絵を眺めさせ、自分はアナウンサーのように落ち着いた声で言葉を届ける。そして、子どもが見せたリアクションに「ふふっ」と一緒に共感してあげる。
たったこれだけで、子どもの頭の中では想像力がフル回転し、一生モノの国語力がしっかりと育まれていきます。
読み聞かせの主役は、完璧な演技をする大人ではなく、絵本の世界を自由に受け取っている子ども自身です。
今夜「これ読んで」と持ってきたら
声優さんを目指さなくて大丈夫。
いつものあなたの声で、ページを開いてみてください。
お布団の中で隣に座り、いつものあなたの声で、肩の力を抜いてページを開いてみてくださいね。そのゆったりとした時間こそが、親子にとって何より宝物になりますよ。


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