「『つみき』が『ちゅみき』になっちゃう」
「何を言っているのか聞き取りづらくて、滑舌が気になる…」
お話が増えてくると、次に気になるのが言葉の発音や滑舌ですよね。
今回は、家庭で楽しくできる「お口の筋トレあそび」を5つご紹介します。親子でニコニコ楽しめる簡単な遊びばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね!
幼児の「滑舌・発音」とお口の筋肉の関係
私たちが何気なく話しているとき、お口の中では舌や唇がかなり複雑に動いています。
子どもは成長とともに、この繊細な動きを少しずつ身につけていくもの。だからこそ、大人と同じようにはっきり話せない時期があるのはごく自然なことなんですよ。
「ちゅみき」になっちゃうのは、舌がまだ不器用なだけ
「つみき」が「ちゅみき」になったり、「さかな」が「たかな」になったり。
周りの子がはっきり話しているのを見ると、「うちの子、大丈夫かな?」と不安になりますよね。
でも、ちょっと考えてみてください。
小さなお子さんって、スプーンを上手に使えなかったり、ボタンをかけるのに苦戦したりしますよね。あれは、まだ手先が不器用だからです。
実は、お口の中もまったく同じ!
子どもは
「舌を上あごの決まった位置につける」
「唇をすぼめる」
「息の量を調製する」
というかなり高度な運動を同時にこなす練習中なのです。
つまり、滑舌が幼いのは発達が遅れているからではなく、ただ単に「お口の中がまだ不器用な状態」なだけ。成長とともに舌や唇を思い通りに動かせるようになれば、発音は自然と整っていきます。
「舌を鍛えて直さなきゃ!」と焦る必要はありません。「今はお口のコントロールを練習している最中なんだな」と、温かい気持ちで見守ってあげてくださいね。
「ほら、言い直して?」が逆効果になるワケ
子どもが「ちゅみき!」と言ったとき、つい「ちゅみきじゃないよ、『つ・み・き』でしょ?」と直したくなること、ありますよね。
でも、子どもが本当に伝えたいのは「正しい発音」ではなく、「つみきで遊びたい!」「すごいの作ったよ!見て!」という気持ちそのものです。
発音を直され続けると…?
一生懸命話したのにそのたびに直されると、子どもは「また間違えちゃった」「話すのって楽しくないな」と傷つき、喋ること自体が嫌になってしまうことも…。子どもからすると「一生懸命走ったのに『走り方が変』と怒られた」ようなものなんです。
子ども自身は、頭の中では「つみき」と言っているつもりです。だからこそ家庭では、無理に直す「訓練」をする必要はありません。
それが「遊んでいるうちに自然とお口の筋肉が育つ」いちばんの近道です。
おうちで楽しくできる!「お口の筋トレ」遊び5選
ここからは、おうちで気軽に試せる「お口の筋トレ」あそびを5つご紹介します!
とはいえ「毎日〇回やりましょう!」なんてルールは一切ありません。これは発音をよくするための「訓練」ではなく、あくまで「遊び」です。
子どもが楽しければ続けるし、飽きたらサクッとやめてOK!どれも特別な準備はいらず、雨の日の室内遊びにもぴったりです。
① シャボン玉・風船(唇をすぼめる・息をコントロールする)
定番中の定番ですが、やっぱりシャボン玉は最強の口育ツールです。
「ふーっ」っと上手に飛ばすには、唇をギュッとすぼめて息の強さをコントロールする力が必要になります。
これ、実はサ行などの「息を一定に吐き出す音」やフ・パ行などの「唇を使う音」のお口の動きとすごく似ているんです。
「おっきいシャボン玉つくれるかな?」「いっぱい飛ばしてみよう!」と声をかけるだけで夢中で遊んでいるうちに自然とお口のトレーニングができちゃいます。
風船を膨らませるのも同じ効果がありますが、小さなお子さんには少し難しいかもしれません。
そのため、100円ショップの「吹き戻し(ピロピロ伸びるおもちゃ)」やお風呂でのシャボン玉から試してみるのがおすすめです。
※誤飲を防ぐため、必ず大人がと一緒について遊んであげてくださいね。
② ストローで紙すくい(唇を閉じる力・お口周りの筋力)
「息を吐く」遊びに慣れてきたら、次は「吸う」遊びにチャレンジ!
小さく切った折り紙(3cm角くらい)をテーブルに並べて、ストローで「スーッ」っと吸い上げて隣のお皿にお引越しさせます。
「赤色だけ集めてみよう!」「どっちがたくさん運べるか勝負ね!」とゲームにすると、子どもはもう夢中!
紙を落とさないように吸い続けることで、唇をしっかり閉じる力やお口周りの筋肉(口輪筋)がぐっと鍛えられます。
「お口がぽかんと開きがちかな?」と気になる子にもぴったり!
※吸い込み防止のため、折り紙は3〜4cm角以上にして見守りながら行いましょう。
③ ペロペロキャンディごっこ・あっかんべぇ(舌の柔軟性UP)
きれいな発音のいちばんの要(かなめ)になるのが、実は「舌のしなやかさ」です。
特にタ行・ラ行・サ行は、舌を上あごにタッチさせたり、細かく位置を調整したりと、舌の器用さが必要になります。
そこで大活躍するのが「ペロペロキャンディごっこ」!
スプーンをキャンディに見立てて、お顔の前(口の外)にかざしたらスタートです。
親「右にキャンディがありまーす、ペロッ!」
親「上にも届くかな〜?」
顔ごと追いかけずに「舌だけ」を伸ばして届く位置にスプーンを動かしてあげるのがコツ。(※スプーンは口の中に入れないよう注意)
「べーっ!」と舌を思いっきり伸ばす「あっかんべぇ対決」で舌を思いっきり伸ばすのも大盛り上がり!
シンプルですが大盛り上がり!鏡の前でやると、自分の舌の動きが見えてさらに面白がってくれますよ。
④ にらめっこ・変顔あそび(表情筋をほぐす・リラックス)
昔ながらの「にらめっこ」も、実はお顔全体の筋肉をしっかりほぐしてくれる立派な口育あそびです!
口を「いーっ」と横に引っ張ったり、「うーっ」とタコみたいに突き出したり、頬を「ぷくーっ」と膨らませたり。
鏡の前でマネっこし合ったり爆笑するだけで表情筋がぐんぐん鍛えられます。
⑤ ラッパ・笛のおもちゃ(しっかり吐く力を育てる)
子どもにとって、音が鳴るおもちゃはモチベーションの塊!
100円ショップにあるトイラッパや笛などは、しっかり息を吹き込まないと音が鳴りません。
「プップー!」と音を鳴らして「電車が通ります〜」とごっこ遊びをしたり、「だれの音が一番長いかな?」と音の長さを競ったりするだけで、発音に必要な「強い息を押し出す力」ぐんぐん育ちます。
「プーッて鳴った!」という達成感があるので、言われなくても子どもから進んで吹きたくなるのが嬉しいポイントです。
半分にちぎったティッシュを指でぶら下げて「ふーっ!」と揺らすだけでも十分楽しめます。「強め」「そっと」など、揺れ方の違いを親子で面白がってみてくださいね。
関わるときに親が意識したい3つのポイント
遊びを取り入れるときに、ほんの少し頭の片隅に置いてもらいたい「親の立ち回り方」があります。
ここを間違えてしまうと、せっかくの楽しい時間が「お勉強」になってしまうので、ぜひ気楽に読んでみてくださいね。
① 発音は直さず、正しい音を「オウム返し」で聞かせる
「ママ、ちゅみきであそぼ!」と言われたら、「ちがうよ、『つ・み・き』でしょ」と直す必要はありません。
「うん、つみきで遊ぼうか!」と正しい発音でさりげなくオウム返しをしてあげればOKです。
子どもは親の言葉を耳でしっかり聴いています。
「自分の言いたいことが伝わった!」という嬉しさを守りつつ、会話の中で「正しい音のお手本」を自然と耳に入れてあげること。
この積み重ねが、お口の発達とともに正しい発音を引き出す一番の近道になります。
② できたこと・楽しめたことを全力で面白がる
お口の遊びをするときに「もっと舌を上につけて!」「ちゃんとやって!」と言ってしまうと、楽しい時間が一気に「訓練」に変わってしまいます。
「その顔なに〜!?(笑)」「ストローで3枚も運べた!すごーい!」と、ただただ親が一緒に面白がって大笑いするのが一番の正解です。
③ 焦らなくて大丈夫。判断に迷ったらプロに頼ろう
「何歳だからこの音が言えないとダメ」というネットの情報に振り回されて、焦る必要はありません。
お口の器用さが急速に育つ4〜5歳頃になると、自然とキレイな発音になっていく子がほとんどです。
とはいえ、毎日のことだからこそ「やっぱり気になる…」と一人で抱え込む必要もありません。
もし「5歳を過ぎても聞き取りにくさが強い」「家族以外に通じない」「本人が上手く話せずにストレスを感じている」といった様子があれば、プロの力を借りるのもひとつの方法です。
主な相談先リスト
- 地域の保健センター
- 小児科・小児歯科
- 耳鼻咽喉科
- 発達相談窓口 など
言語聴覚士(ST)などの専門家に相談することは、「我が子の問題点を認めること」ではなく、「ママの不安を軽くし、今のお口の発達を知るためのきっかけ」です。
「こんなことで相談してもいいのかな?」と思うくらいの気軽さで、サクッと頼ってみてくださいね。
まとめ:焦らず、楽しく、おうちで「お口の筋肉」を育もう
周りの子と比べて焦ってしまう気持ち、すごくよくわかります。でも、子どもの発音は日々の遊びの中で少しずつ、確実に育っていくものです。
大切にしたいこと
今回ご紹介した筋トレ遊びは「ちゃんと言わせなきゃ」と構える必要はありません。
「ママとお話しするのって楽しい!」という気持ちを育むことが、一番の「口育」になります。
不安なときは一人で抱え込まず専門家の力も借りながら、焦らずゆっくり、お子さんの「ことばが育つ時間」を見守っていきましょうね。
笑顔で楽しく!
今日からゆる〜く「お口の筋トレ」を試してみてくださいね!


コメント