絵本を読もうとすると、逃げてしまう。
ページを閉じてしまう。
立ち上がって、どこかへ行ってしまう。
そんな姿を見ると、
「うちの子、大丈夫かな」と、不安になることもありますよね。
でも、1~2歳の子どもが絵本を嫌がるのは、とてもよくあることです。
このページでは、無理に読ませなくても大丈夫な理由と、今できるやさしい関わり方をお伝えします。
読み終わるころ、ママの気持ちがふっと軽くなっていたら嬉しいです。
もし、「うちの子のことば、全体としては大丈夫なのかな…」と感じたら、年齢ごとの目安や、よくある不安をまとめたこちらの記事も参考にしてみてください。
▶『【保存版】0~4歳|ことばの育ちで不安になりやすい時期と、ママの心が軽くなる考え方まとめ』
1~2歳が絵本を嫌がるのは、よくあること
絵本を嫌がると、
「うちの子、絵本が苦手なのかな」
「ことばの育ちに影響しないかな」
と、心配になりますよね。
でも、1~2歳のこの時期は、絵本を“じっと聞く”ことの方が、まだ難しい時期でもあります。
むしろ、途中で立ち上がったり、別のことに気が向いたりするのは、とても自然な姿です。
この時期の子どもは、世界にあるたくさんの「気になるもの」に、心も体も引っ張られています。
だから、「絵本から離れてしまうこと=興味がない」というわけではありません。
まずは、「今はそういう時期なんだ」と、知るだけでも、少し気持ちが楽になるかもしれません。
動きたい気持ちが強いから
1~2歳の子どもは、体を動かすことそのものが、いちばんの学びの時期です。
走る、触る、のぞく、確かめる。
目に入ったものすべてが、気になって仕方がない時期でもあります。
気になるものがあれば、すぐに立ち上がって確かめに行きたくなる。
それは、好奇心がしっかり育っている証でもあります。
だから、絵本の読み聞かせの途中で立ち上がって別の遊びに行ってしまうことがあっても、それは「絵本が嫌い」なのではありません。
今は。“じっと見る”よりも、体を動かすことの方が楽しいだけ。
むしろ、そうやって世界に興味を向けていること自体が、大切な成長の一歩。
この時期なら、とても自然な姿です。
自分でやりたい時期だから
1~2歳ごろになると、何でも「じぶんでやる!」と言い始める時期に入りますよね。
それは、
「自分でしたい」
「自分で確かめたい」
という気持ちが、少しずつ芽生えてくるからです。
ママが読む絵本を“聞く”よりも、自分でページをめくったり、閉じたり、また開いたりする方が、楽しく感じることもあります。
それも、絵本との関わり方を、自分で選んでいるサインです。
読んでもらうことに興味がないのではなく、「どう関わるか」を、自分なりに試している途中なのです。
だから、途中でページを閉じてしまっても、立ち上がってしまっても、「ダメ」ではありません。
その姿の中に、ちゃんと成長の芽があります。
その日の気分や体調もあるから
大人と同じように、子どもにも「今日はそんな気分じゃない日」があります。
眠かったり、違う遊びをしたい気持ちが強かったり、おなかが空いていたり…。
そんな日は、絵本を開いても、気持ちが向かないこともありますよね。
でも、それはわがままでも、育ちが遅れているわけでもありません。
その日の体と心の状態を、ちゃんと感じ取っている証でもあります。
毎日同じ反応をしなくても大丈夫。
その日の気分も、ちゃんとその子の一部です。
絵本=緊張する時間になっていることも
「ちゃんと聞いてほしい」
「最後まで読まなきゃ」
そんな気持ちが強くなるほど、絵本の時間が、少し“がんばる時間”になってしまうこともあります。
ママの中の「大切だからこそ」という思いは、ちゃんと子供に伝わります。
でも、その空気が少し張り詰めると、子どもはなんとなくそれを感じ取って、そっと離れてしまうことも。
だからといって、ママが悪いわけではありません。
それだけ、真剣に向き合っている証です。
一生懸命だからこそ、そうなることもあるのです。
ここからは、少し力を抜いても大丈夫。
絵本の時間は、もっと自由で、やさしくていいのだと思います。
無理にやらなくていいこと
絵本を嫌がると、
「このままで大丈夫かな」
「何かしてあげなきゃ」
と、少しずつ焦りが出てきますよね。
それは、わが子を大切に想っているからこそ、出てくる気持ちです。
でも、実はこの時期、無理にやらなくていいこともたくさんあります。
まずは、「やらなくていいこと」を知るだけでも、ママの肩の力が、少し抜けるかもしれません。
座らせて聞かせようとすること
絵本の読み聞かせをするとき、
「ここに座って」
「ちゃんと聞いといてね」
そんな声をかけたくなることもありますよね。
でも、1~2歳の子どもにとって、じっと座って聞くことは、まだとても難しいことです。
この時期は、体を動かしながら感じたり、まわりを確かめたりすることで、世界を知っていく時期でもあります。
だから、座れないからといって、絵本が嫌いなわけでも、集中できないわけでもありません。
立ち上がったり、近くのおもちゃを触ったりしながらでも、耳に入っている言葉や、目に入っている絵は、ちゃんと心の中に残っています。
“聞く”かたちは一つじゃない。
そのことを、そっと思い出してもらえたら嬉しいです。
最後まで読ませようとすること
「最後まで読むからこそ意味があるのでは?」
そう思っているママもきっと多いですよね。
せっかく時間をつくって絵本を開いたのだから、途中で終わってしまうと、なんだか“もったいない”ように感じてしまうこともあると思います。
でも、この時期の子どもにとって、絵本は「最後まで読むもの」でなくても大丈夫です。
- 気になるページだけを見る。
- 同じところを何度も開く。
- 途中で閉じて、また戻ってくる。
それも、その子なりの絵本との関わり方であり、楽しみ方のひとつです。
ストーリーを追うよりも、「今、気になる」一場面と出会っているだけ。
その時間も、ちゃんと絵本とつながっている時間だと私は思っています。
反応を求めすぎること
「これは何?」
「どんな色?」
つい、たくさん話しかけたくなることもありますよね。
それは、わが子のことばを育てたい、ちゃんと関わってあげたい、というやさしい気持ちからだと思います。
でも、反応が返ってこないと、
「なんで言えないんだろう?」
「ちゃんと聞いていないのかな」
と、少し不安になってしまうこともありますよね。
でも、反応がないからといって、聞いていないわけではありません。
子どもは、聞いていないように見えても、ちゃんと音や雰囲気を感じ取っています。
ことばは、“答えられるようになる”前に、まずはたくさんの安心を、心の中にためていくもの。
安心できる中で、少しずつ育っていくものなのだと思います。
周りの子と比べ続けること
保育園や支援センターなどで、絵本の読み聞かせを静かに聞いていたり、上手に反応して楽しそうにしている他の子を見ると、どうしても比べてしまいますよね。
「うちの子は、できていないのかな」
「何か足りないのかな」
そんなふうに感じてしまうこともあると思います。
でも大切なのは、誰かと比べることではなく、その子自身のペースを見ること。
- 昨日より、少し長く座っていられた。
- 前より自分でページをめくる回数が増えた。
- 絵本の読み聞かせ中に目が合う時間が増えた。
そんな小さな変化も、ちゃんと育ちの一部です。
比べるのではなく、“その子の今日”を見てあげる。
それだけで、関わり方は、少しやさしくなります。
「頑張りすぎなくていい」という考え方は、ことば全体にもつながっています。
よければ、こちらの記事もあわせて読んでみてください。
▶ことばの不安を抱えるママへ。元国語教師ママが“おうちことば育て”を始めた理由
それでも大丈夫。今できる関わり方
ここまで読んで、
「少し力を抜いてもいいのかも」
そう感じてくれたママもいるかもしれません。
絵本を嫌がる姿を見て、何か“足りない”ように感じてしまっても、今はまだ、土台を育てている途中です。
ここからは、無理をしなくても、日常の中でできる絵本との関わり方を、いくつかご紹介します。
どれも、
「全部やらなくていい」
「できる日があれば十分」
そんな関わりです。
置いておくだけでもOK
絵本は、「読まなきゃいけないもの」ではありません。
テーブルの上や、子どもの手の届く場所に、そっと置いておくだけでも大丈夫です。
収納棚の中にしまい込んでいるよりも、リビングのよく見えるところに置いておく方が、子どもは自然と目にとめやすくなります。
とはいえ、おもちゃや絵本がリビングに増えると、
「ごちゃごちゃするのがイヤだな」と感じることもありますよね。
その気持ちも、とてもよく分かります。
実は私も、絵本をすべて子ども部屋のクローゼットの中にしまい込んでいた時期がありました。
でも、しまっていると、どうしても「今から読もう」と、親のペースで絵本の時間をつくる形になってしまって…。
そのたびに、「いや」と言われることも多かったんです。
そこで、リビングの見える場所に絵本ラックを置き、子どもが自分で取れるようにしてみました。
すると、親が用意しなくても、自分から「これ読んで」と持ってくるようになり、ひとりで、静かにページをめくっていることも増えました。
子どもは、自分のタイミングで、気になったときに、ふと手を伸ばすんだな、と実感しました。
手の届くところに置くと、破れてしまうこともあります。
でもそれも、その絵本とたくさん触れ合った証。
「この絵本、長男がたくさん読んでたな」
今はもう読まなくなった、びりびりに破れた絵本を見ながら、懐かしい気持ちになります。
そんなふうに、思い出として、心に残っていくのだと思います。
遊びの中で見せる
無理に「読もう」としなくても、遊びの中に、絵本がそっと混ざっているだけで大丈夫です。
「今から絵本の時間にしよう」と構えなくても、子どもの遊びの流れの中で、自然に置いてみるだけで、それも立派な絵本との関わりになります。
- お店屋さんごっこの中で、絵本を「買う」役をする
- おままごとの途中で、ぬいぐるみに絵本を読んであげる“読み聞かせごっこ”
- 車遊びをしているそばに、乗り物の絵本を置いてみる
子どもは、「読まなきゃ」と思うよりも、“遊びの延長”のほうが、自然に手を伸ばしやすいものです。
“読む時間”にしなくても、“そばにある”だけで、十分な関わりになります。
絵本は、遊びの中に溶け込んでいても、ちゃんとその役割を果たしてくれます。
子どもが触りたがったらチャンス
自分から絵本に触れたときは、「今、気になっている」サインです。
ページをめくったり、指をさしたり、閉じてまた開いたり。
どんな関わり方でも大丈夫。
それぞれが、その子なりの“絵本との出会い方”です。
子どもが自分から絵本に触れているとき、「読んであげるね!」と、すぐに声をかけなくても大丈夫。
子どもから「これ読んで」と持ってきたときは、そのときに読んであげればいいし、ひとりでペラペラとページをめくって、絵本の世界を楽しんでいるようなら、そっと見守ってあげてください。
“関わらない”のではなく、“信じて待つ”関わりもあります。
見守ることも、とても大切な関わりです。
見ているだけでも“聞いている”
離れたところで遊んでいても、ママの声や、ページをめくる音は、ちゃんと子どもの耳に届いています。
こちらを見ていないように見えても、絵本に近づいていなくても、心の中では、少しずつ受け取っています。
私も何度も、
「聞いていなさそうだから、もう読むのをやめようかな」
と思ったことがあります。
でも、あるとき、ブロック遊びをしていた娘に、ふとこう言われました。
「ママ、もう絵本終わったの?」
私からは、絵本を見ているようには見えなかったけれど、その一言で、「遊びながらでも、聞いてくれていたんだ」とハッとしました。
ずっと集中して見ていなくても、
体がこちらを向いていなくても、
ママの声は、ちゃんと届いている。
「聞いていないように見える」その時間にも、ことばは、そっと積み重なっているのだと、改めて感じました。
関わり方は、目に見えるものだけではありません。
気づかないところで、ちゃんと届いていることもある。
そのことを、やさしく思い出してもらえたら嬉しいです。
絵本が“苦手”な子に合いやすいヒント
ここまで読んで、
「今のままでも大丈夫そう」
そう感じられたなら、まずはそれで十分です。
それでも、
「もし、何か選ぶとしたら…」
「少しでも、わが子に合う絵本があれば知りたい」
そんな気持ちが、ふと浮かぶこともあるかもしれません。
ここからは、“こうしなきゃ”ではなく、“こんな考え方もあるよ”というヒントをご紹介します。
どれも、
「当てはまらなくても大丈夫」
「今ある絵本の中にも、きっと見つかる」
そんな視点です。
絵や色がシンプルで、見やすい
1~2歳の子どもは、たくさんの情報が一度に入ると、どこを見たらいいのか、迷ってしまうことがあります。
- 背景がごちゃごちゃしていない
- 登場するものが少ない
- 色や形がはっきりしている
こんな本は、自然と子どもの目にとまりやすくなります。
「これ!」「あっ!」
そんな小さな声や、指差しが生まれやすいのも、このタイプの絵本です。
どこを見ればいいかがわかることで、子どもは、安心して絵本の世界に入っていけます。
繰り返しやリズムがある
1~2歳の子どもは、同じことを何度も繰り返すのが大好きな時期です。
「もう1回!」
普段の生活の中で、そんな言葉を聞く場面も、たくさんありますよね。
絵本の中にも、同じ言葉や、似た場面が、繰り返し出てくるものがあります。
リズムよく、同じフレーズが続くことで、子どもは安心して、「次はどうなるんだろう」と、予想できるようになります。
意味がわからなくても、音の響きや、ことばのリズムそのものを、楽しんでいることもあります。
「覚えさせる」ためではなく、“心地良さ”を感じられる絵本は、自然と何度も開きたくなる一冊になりやすいです。
触って楽しめる
1~2歳の子どもは、目で見るだけでなく、触ったり、動かしたりしながら、世界を感じています。
最近は、しかけがあったり、触ると音が出たり、めくると動くような、「触って楽しめる」絵本もたくさんあります。
ページをめくるだけでなく、引っ張ったり、触ったり、動かしたり。
そんな絵本は、じっと見ていられない時期の子にとって、とても自然な入り口になります。
「読む」ことよりも、「触れて、楽しむ」こと。
その中にも、ちゃんとことばの芽は育っています。
ここまでご紹介してきたヒントは、
「こういう絵本を選ばなきゃいけない」
という条件ではありません。
今おうちにある絵本の中にも、きっと当てはまるものがあるはずです。
「この絵本、よく持ってくるな」
「このページ、好きみたいだな」
そんな小さな気づきが、その子に合った一冊を見つける、
いちばんのヒントになります。
“正解”を探すより、目の前のわが子を見ること。
それだけで、もう十分なのだと思います。
もし、「もっと絵本について知りたいな」と思ったら、
“読ませなくていい”という考え方で絵本を選ぶヒントをまとめた、こちらの記事も参考にしてみてください。
▶ 1~2歳|ことばにつながる絵本の選び方「読ませなくていい」絵本の話
まとめ|今、迷っているママへ
絵本を嫌がる姿を見ると、
「このままで大丈夫かな」
「何か足りないのかな」
と、不安になることもありますよね。
でも、ここまで読んでくれたママは、もう十分、わが子と向き合っています。
絵本を最後まで聞かなくても、ページをめくってばかりでも、途中でどこかへ行ってしまっても。
そのすべてが、今のわが子の“ちょうどいい”姿です。
無理に読ませなくても大丈夫。
頑張りすぎなくても大丈夫。
ママの声、
同じ空間で過ごす時間、
一緒に笑ったり、そばにいること。
それだけで、ことばの土台は、ちゃんと育っています。
どうか、頑張りすぎず、比べすぎず、今のわが子と、今の自分を、少しやさしくみてあげてください。
このブログが、迷った時に、ふっと立ち戻れる場所になれたら嬉しいです。
絵本以外にも、1~2歳のことばが気になったときの関わり方について、こちらの記事でくわしくまとめています。
▶1~2歳|ことばが気になったとき、親ができること・やらなくていいこと
※0~4歳の「年齢別まとめ」記事はこちらです。
▶『【保存版】0~4歳|ことばの育ちで不安になりやすい時期と、ママの心が軽くなる考え方まとめ』



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